お知らせ・混雑情報

 

 当院は混雑しているときは一時外出制度を採用しています。待ち時間が長いと予想される場合は診察予想時間をお伝えし、指定の時間に戻ってきていただくことができます。なるべく待合室での待ち時間を減らし、ご負担を少なくしたいと思っています。不明な点は受付でお尋ねください。

 

 

 

耳鼻咽喉科のめまい

 めまいは非常に一般的な症状ですが、めまいを起こす疾患は多種多様です。内耳が原因である場合が最も多く、めまい=耳鼻咽喉科で診察することが標準的です。

 当院ではいろいろな検査 (平衡機能検査、聴覚検査、重心動揺検査など)を組み合わせて行い、めまいの原因を検索し、治療に役立てています。良性発作性頭位めまい症に対しては積極的に浮遊耳石置換療法(エプリー法)を行っています。患者さんの重症度によりますが、メニエール病難治例に対しては外科的治療や近年着目されている鼓膜チューブ挿入による鼓室換気圧平衡治療も行っています(重症の場合、当院提携のめまい治療専門施設をご紹介いたします)。

 『めまい』は様々な原因で起こる症状です。原因ごとに、耳の病気、脳の病気、その他全身の病気と分けられます。


それではめまいをおこす疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?

 耳鼻咽喉科のめまいには多い順に①良性発作性頭位めまい症 ②メニエール病 ③前庭神経炎があります。今回はこの2つの病気について解説します。

≪良性発作性頭位めまい症≫

 めまいの中で最も多いのが『良性発作性頭位めまい症(BPPV:Benign Paroxysmal Positional Vertigo )』です。耳鼻咽喉科を受診しためまい患者さんの40%前後を占めるといわれています。
長々とした病名なのですが、よくみると“良性”となっていますね。名前の通り、<頭の位置を動かしたときに発作的にめまいが起こる良性の病気>なんです。
この病気の特徴としては、以下の3つがあげられます。
① 頭の位置や姿勢を変えた時に起こる発作性の回転感の強いめまい
②   めまいが起こった時に、難聴や耳鳴りなどを伴わない
③   一度のめまいの持続時間が数秒~数十秒
 耳の奥にあって重力を感知する耳石という小さな結晶が本来ある場所から外れてしまうのが原因です。この耳石が半規管に迷い込んでしまい、中のリンパ液の流れを乱して強いめまいがおこるのです。遊園地のコーヒーカップに乗った感じ、ひどい車酔いのような感じがおこります。

 原因:耳石が前庭という場所から外れてしまう理由としては、交通事故やけんかなどで頭を強く打ったことでも起こるのですが、多くの場合は原因不明です。高 齢者では加齢により耳石が変性することではがれやすくなるといわれています。更年期以降の女性は女性ホルモンの低下によりカルシウムの代謝が悪くなり耳石 がはがれやすくなるともいわれています。疲労や睡眠不足が原因となることもあります。

 治療は、耳石という小さな石が動くことでめまいが誘発されるため、薬物療法ではなかなか効果がないこともあります。多くの場合は次第に改善します。

最近では浮遊耳石置換法(エプリー法、最後に記載あり)と呼ばれる治療法があります。
浮遊耳石置換法は、まず眼振検査を行い3つある半規管のどこに耳石が迷い込んでいるかを確認します。耳石の位置を確認したら、半規管の立体構造をイメージし、頭を数段階に分けて動かし耳石を元の位置に戻します。

この方法は治療として非常に有効であり、60~70%の人が改善します。
当院院長は多くのめまい患者様に対しエプリー法を行ってきました。当院ではこの浮遊耳石置換法を積極的に行っています。ただし、全ての良性発作性頭位めまい症に有効なわけではなく、三半規管の中でも後半規管や外側半規管といわれる場所に迷い込んだ耳石に対して有効です。
このようなめまいを自覚された場合は迷わず耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

≪メニエール病≫

耳鼻咽喉科のめまいのひとつにメニエール病があります。よく耳にすると思いますがメニエール病とはいったいどのような病気なのでしょうか。

難聴や耳鳴りなどの蝸牛症状を伴う回転性のめまいを繰り返す病気で、強い発作の時は吐き気や嘔吐も生じます。この病気の特徴は以下の3つがあげられます。
① 繰り返す難聴や耳鳴り、耳閉感を伴う回転性のめまい
②   発作は十分から数時間持続する
③   脳の病気がないこと

 原因ですが、耳の奥の内耳を満たしている液体(内リンパ液)が増えすぎて内耳がむくんでしまうことです。この内リンパ液が増えすぎた状態を内リンパ水腫と呼び、これがめまいのほか難聴や耳鳴り、耳閉感をひきおこします。

 治療は、発作の強い急性期には重曹水や制吐薬の点滴を行い、症状がある程度おさまったころから内リンパ水腫を抑える目的で利尿薬(イソバイド)を服用していきます。難聴の進行が著しく改善が乏しい時は副腎皮質ステロイドを併用する場合もあります。当院では漢方療法も積極的に導入しています。
 症状が長期にわたって続く場合、日常生活に支障をきたしている場合は手術を行うことがあります。内リンパ嚢開放術はリンパの通り道を作成し、めまいを軽減 させる術式です。ただし、手術した方は聞こえが悪くなることが多いので厳格に適応を判断します。もう一つ注目されているのは鼓膜チューブ挿入を行い、気圧と中耳の圧力を平衡状態 にする治療です。まだ確固たるデータがありませんが、徐々に有効性が証明されてきています。当院では上記の治療を患者さんの症状をよく見極めて最適な治療 を呈示し、選択していただいています。
 また、症状が落ち着いているメニエール病の患者さんでは、生活リズムを整えることが大切です。

『睡眠をしっかりとる』『ストレスをため込まない』『水分をしっかりとる』『適度な運動をする』の4つが大切です。
めまいは突然起こりうる疾患であり、どのような症状があるのかを正確に見極めることが治療につながっていきます。

≪前庭神経炎≫

 耳の奥にある前庭神経の炎症です。風邪のウィルスや疲れにより起こります。激しいめまい、はきけがおきます。通常はカゼと同じように3-4日で回復します。初期の症状は激しいですが、後遺症は残りません。点滴や飲み薬が効果的です。

 

*エプリー法、レンパート法(浮遊耳石置換療法)

 後半規管の半規管結石症に対して考案された方法です。三半規管の中に耳石が動いており、頭を半規管の方向を考えながら動かす(運動)ことで耳石を 元あった位置に戻します。方法は以下の通りで,まず右側後半規管が病巣の場合,懸垂頭位にて頭を右に 45 度傾けます。ついで,懸垂頭位のまま徐々に頭を左へ傾けて左下懸垂頭位とする.その後、身体全体を左側臥位とし,左下頭位からさらに下を向かせる最後に座位に戻します(エプリー法)。そのほか外側半規管型にはレンパート法が適応されます。
この一連の操作によって右後半規管の脚部に集合した耳石が総脚を経てもとにあった場所である卵形囊へと移動することになります.
 病巣の判定は後半規管刺激でおこる眼振の生理学に基づき,懸垂頭位での眼振の打ち方が検者からみて反時計方向のばあいを右側病巣,その逆を左側としますが、 専門家でないと耳石がある場所を眼の検査だけで同定するのは難しく、かえって間違った場所へ誘導してしまうことがあります。80~90% と高い効果をみとめる報告が多く, 速効性があります。ただし、適切な訓練を受けた耳鼻咽喉科医が行う必要があります。適応がある方には当院で行っています。多くの患者様のめまい症状が著明改善されています。